THE W歴代優勝者の現在とブレイク格差の真相|初代から最新女王まで全網羅
日本テレビ系列の大型賞レースとして定着した「女芸人No.1決定戦 THE W」。2017年の第1回大会以来、数多くの実力派女性芸人たちがしのぎを削り、新たなスターが誕生してきました。しかし、栄冠を手にしたチャンピオンたちのその後を追うと、テレビのバラエティ番組を席巻するコンビがいる一方で、劇場や単独ライブを中心に独自の路線を突き進むコンビなど、その歩みは実に多彩です。
本稿では、初代王者ゆりやんレトリィバァから最新女王までの全大会データ、決勝の激闘と歴代得票数、そして大会後に生じる「ブレイク格差」の背景をメディア構造論やエンタメ業界の動向から徹底検証します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:歴代王者にはバラエティ特化型(3時のヒロイン、阿佐ヶ谷姉妹)、単独・実力派コント型(吉住、天才ピアニスト)、インディーズ・ライブ特化型(オダウエダ、にぼしいわし)の3つの明確なキャリア類型が存在する。
- 要点2:オダウエダの優勝(2021年)など審査員票が割れた背景には、審査基準の変遷(一般審査からプロ審査員固定化)と「ナンセンス系コント vs 構成力重視漫才」の評価軸の対立がある。
- 要点3:大会優勝が即座に全国区の冠番組獲得につながる時代から、YouTube、ラジオ、海外進出、劇場の看板など「自身の強みに応じた多角的な出口戦略」を持つ芸人が息の長い成功を収める時代へとシフトしている。
【一覧表】THE W歴代優勝者・得票数と決勝激闘の全記録
まずは、これまでの大会における決勝最終決戦の対戦カード、最終審査員の投票結果、そして各大会のトピックを総括します。
| 回・放送年 | 優勝者(所属) | 最終決戦の相手と得票数 | 編集部の見解・大会の転換点 |
|---|---|---|---|
| 第1回(2017) | ゆりやんレトリィバァ(吉本興業) | 牧野ステテコ(一般審査員制) | 圧倒的な知名度とピン芸の突破力で初代戴冠。大会創設の存在感を示す。 |
| 第2回(2018) | 阿佐ヶ谷姉妹(ASH&D) | 横澤夏子(阿佐ヶ谷姉妹 6票 / 横澤 1票) | プロ審査員制が本格導入。抜群の好感度とお茶の間適性で全国区へ定着。 |
| 第3回(2019) | 3時のヒロイン(吉本興業) | はなしょー(3時のヒロイン 6票 / はなしょー 1票) | 洋楽ダンスネタ「アハーン」で爆発的ヒット。大会随一の即効性ブレイクを果たす。 |
| 第4回(2020) | 吉住(プロダクション人力舎) | 紅しょうが(吉住 6票 / 紅しょうが 1票) | 毒気と哀愁を孕んだ憑依型一人芝居が高く評価され、コント師としての地位を確立。 |
| 第5回(2021) | オダウエダ(吉本興業) | Aマッソ(2票)/ 天才ピアニスト(2票)/ オダウエダ(3票) | 3-2-2の大激戦。不条理系カルトネタの評価を巡り、ネット上で激しい議論が巻き起こる。 |
| 第6回(2022) | 天才ピアニスト(吉本興業) | ヨネダ2000(3票)/ 紅しょうが(0票)/ 天才ピアニスト(4票) | 関西賞レース総なめの実力を遺憾なく発揮。しゃべくり漫才と緻密なコントで王道優勝。 |
| 第7回(2023) | 紅しょうが(吉本興業) | エルフ(2票)/ スパイク(1票)/ 紅しょうが(4票) | 5度目の決勝進出で悲願の優勝。東京進出直後の勢いをそのまま結果に繋げた。 |
| 第8回(2024) | にぼしいわし(フリー) | エルフ(2票)/ 忠犬立ハチ高(1票)/ にぼしいわし(4票) | 事務所無所属のフリーとして史上初の優勝。地下ライブシーン発の快挙として歴史に刻まれる。 |

初代ゆりやんから最新女王まで|歴代チャンピオンの現在地とキャリア変遷
優勝という栄誉を手にした後、彼女たちはどのようなフィールドで活躍しているのでしょうか。初代から各チャンピオンの現在の動向を検証します。
ゆりやんレトリィバァ:世界基準の表現者へ
初代王者ゆりやんレトリィバァは、その後『R-1ぐらんぷり2021』でも優勝を飾り、男女混合の賞レースでもトップに君臨しました。近年はアメリカのオーディション番組出演を皮切りに、海外拠点でのスタンダップコメディへの本格挑戦やNetflixドラマ『極悪女王』での主演・肉体改造など、芸人の枠を超えた国際的アクトレス・パフォーマーとしての地位を確立しています。
阿佐ヶ谷姉妹:お茶の間の絶対的好感度と独自の日常エンタメ
第2回覇者の阿佐ヶ谷姉妹(渡辺江里子・木村美穂)は、情報番組『ヒルナンデス!』のレギュラーや数々のCM、エッセイ執筆、さらにはNHKでドラマ化された自伝的ドラマ『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』など、幅広い世代から愛される「国民的癒やし枠」を盤石にしました。賞レース特有のギラギラ感とは一線を画す独自のブランディングの好例です。
3時のヒロイン:民放キー局バラエティの主力カルテット/トリオへ
第3回を制した3時のヒロイン(福田麻貴・かなで・ゆめっち)は、優勝翌年から民放キー局の冠番組やバラエティを席巻しました。リーダー福田麻貴の切れ味鋭いMC力とドラマ主演、かなでの高い演技力とキャラクター性、ゆめっちの休養からの復帰など、個々のタレントパワーを生かしたマルチタレント集団として安定したポジションを維持しています。
吉住:脚本・ドラマ・コントライブで輝く孤高のピン芸人
第4回王者の吉住は、テレビのバラエティ番組でひな壇を埋めるタレント活動にとどまらず、単独ライブの即完、ドラマの脚本執筆、話題作への女優出演など、クリエイター気質の強い活動を展開しています。同大会準優勝の実力者であるかが屋やAマッソらとともに、カルチャー層から絶大な支持を集める本格派コント師の道を歩んでいます。
オダウエダ・天才ピアニスト・紅しょうが・にぼしいわし:劇場の熱気と次世代の牽引
第5回覇者のオダウエダは、ヨシモト∞ホールなどの劇場ライブを主戦場とし、不条理かつ中毒性の高いコントでコアなファン層を熱狂させ続けています。第6回覇者の天才ピアニストは、なんばグランド花月をはじめとする関西劇場シーンの若手看板として君臨し、『NHK上方漫才コンテスト』制覇など正統派漫才師としての評価を高めました。
第7回を制した紅しょうが(熊元プロレス・稲田美紀)は、東京移籍後のラジオポッドキャスト『紅しょうがは好きズキ!』が爆発的人気を呼び、歯に衣着せぬトーク力と親しみやすいキャラクターで女性ファンを中心に支持を拡大。第8回王者のにぼしいわしは、フリーランスという独自の立ち位置から自主興行を大成功させ、インディーズお笑い界に新たな希望をもたらしています。
なぜ勝敗で明暗が分かれるのか?「優勝後のブレイク格差」を生む構造的要因
賞レースで優勝を果たしながらも、翌日からの露出度や全国的な認知度において、なぜ芸人ごとに大きな差が生じるのでしょうか。そこにはテレビメディアと芸人の芸風が持つ「構造的な相性」が存在します。
| タイプ分類 | 該当芸人の例 | メディア適性とブレイクの速度 | 主な収益・活動の中心 |
|---|---|---|---|
| バラエティ即応型 | 3時のヒロイン、紅しょうが | 極めて速い。平場のトーク、リアクション、エピソードトークのストックが豊富。 | 民放キー局バラエティ、CM、情報番組、ラジオ |
| キャラクター愛され型 | 阿佐ヶ谷姉妹、ゆりやん | 安定的・長期継続。嫌味のないキャラクターでお茶の間に浸透。 | 情報番組、ナレーション、ドラマ、海外展開 |
| ネタ・カルチャー職人型 | 吉住、オダウエダ、にぼしいわし | 緩やかだが強固。マス向けバラエティよりも劇場や単独公演に集中。 | 劇場動員、配信チケット、単独ライブ、執筆 |
全国放送のひな壇バラエティ番組では、4分間のネタの完成度とは別に、「短い尺でのフリップ芸」「共演者へのツッコミ」「自虐や恋愛などの定番テーマでのエピソードトーク」といった平場での即応スキルが求められます。3時のヒロインや紅しょうがが優勝後スムーズに番組起用されたのは、このスキルセットがあらかじめ完成されていたためです。
一方、吉住やオダウエダのようなタイプは、バラエティのひな壇に無理に同化するのではなく、自身の世界観を毀損しない形で活動を厳選しています。これは「格差」や「失速」ではなく、自身の才能を最大化するための戦略的な棲み分けと捉えるのが妥当です。

歴代審査員の変遷とネットの反応|「審査基準の揺らぎ」を巡る議論の真相
THE Wの歴史を語る上で避けて通れないのが、審査方法とネット上の反響を巡る議論です。初期から現在に至るまで、大会側は試行錯誤を繰り返してきました。
一般審査員制からプロ芸人・作家審査員への進化
第1回大会では、公募された一般審査員が投票を行うシステムが採用されていました。しかし視聴者からは「会場のウケの空気感や知名度に左右されすぎている」との声が相次ぎました。第2回以降は、清水ミチコ、アンガールズ田中卓志、笑い飯哲夫、友近、ハイヒール・リンゴ、麒麟川島明ら、ネタの構造と技術を深く理解するプロ芸人・作家陣へと審査員が固定化され、大会の権威性が大幅に向上しました。
2021年オダウエダ優勝を巡る「不条理コント vs 構成美」の激論
ネット上で最も激しい議論が巻き起こったのが、第5回大会(2021年)の最終決戦です。映像演出を取り入れた緻密なコントを披露したAマッソ、完璧な掛け合いのしゃべくり漫才を展開した天才ピアニストに対し、オダウエダは「焼き鳥の串に蟹が挟まる」という純度100%のナンセンスコントをぶつけました。
結果はオダウエダ3票、Aマッソ2票、天才ピアニスト2票という歴史的分散決着。SNS上では「なぜオダウエダなのか」「理解が追いつかない」といった困惑の声が上がる一方、審査員側からは「理屈を超えて最も笑わされた」「バカバカしさを突き詰めた強さ」が高く評価されました。この一件は、THE Wが単なる技術コンテストではなく、「笑いの爆発力」を純粋に評価する賞レースであることを証明する転換点となりました。
【プロの結論】賞レースを跳躍台にできる芸人と苦戦する芸人の決定的な違い
お笑い界における賞レースは、芸人の認知度を急上昇させる「強力なブースター」ですが、ゴールではありません。大会後のキャリア形成を左右する分岐点はどこにあるのでしょうか。
成功を収める芸人の3つの特徴
- セルフプロデュースの境界線(バウンダリー)が明確:自分たちが「どの土俵で戦う芸人か」を完全に把握し、不向きな過密バラエティへの過剰適応を避けている。
- コアファンとの直接的つながり:YouTube、ポッドキャスト、劇場配信などを通じ、テレビの露出頻度に依存しない直接課金・動員基盤を構築している。
- ネタのアップデート速度:優勝ネタのフォーマットに安住せず、翌年には全く異なるアプローチの新ネタを供給し続けられる創作体力を保持している。
向いている芸人・慎重になるべき芸人の判断基準
THE Wのような大規模コンテストへの挑戦は、すべての女性芸人にとって等しくプラスになるとは限りません。自分たちの芸風が「4分間の瞬間最大風速で刺すタイプ」であれば賞レースは絶好の跳躍台となります。一方で、「30分〜1時間の長尺ライブで徐々に世界観に引き込むタイプ」のユニットの場合、コンテストの型にネタを縮小させることが表現の魅力を損なうリスクも孕んでいます。

【w 歴代優勝者】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:THE Wの優勝賞金と副賞はどのようなものですか?
A1:優勝賞金は1,000万円です。さらに副賞として、日本テレビ系の人気番組への出演権(「日テレ系バラエティ番組出演権」)や、自身の冠特番の制作・放映権などが贈呈されます。
Q2:歴代の最高得票数や圧倒的な大差で優勝した芸人は誰ですか?
A2:プロ審査員制(7票制)において、第2回の阿佐ヶ谷姉妹、第3回の3時のヒロイン、第4回の吉住はいずれも「6票 vs 1票」という圧倒的な大差で最終決戦を制しました。
Q3:漫才師とコント師、どちらが優勝しやすい傾向にありますか?
A3:歴代優勝者を見ると、コントを主武器とする芸人(吉住、オダウエダなど)がやや多い傾向にありますが、天才ピアニストや紅しょうが、にぼしいわしのように漫才を軸に据えるコンビも戴冠しています。M-1グランプリやキングオブコントと異なり、漫才・コント・ピン芸・音ネタが混在して競い合う点がTHE W独自の特徴です。
Q4:にぼしいわしの「フリーでの優勝」は何がすごかったのですか?
A4:大手芸能事務所(吉本興業、人力舎、松竹芸能など)の手厚いバックアップやマネジメントがない中、自主的な劇場運営とライブ活動のみでネタを磨き上げ、地上波ゴールデンの賞レースを制した点です。これは賞レースの歴史において極めて異例の快挙です。
まとめ:新時代を迎える女性芸人たちの挑戦と進化
「女芸人No.1決定戦 THE W」は、発足当初の試行錯誤を経て、現在では女性芸人の枠組みを超えた高度なネタの実験場・スター誕生の舞台へと進化を遂げました。
歴代優勝者たちの軌跡が示すのは、「テレビで毎日見るタレントになることだけが正解ではない」という事実です。ある者は世界へ飛び立ち、ある者はお茶の間の象徴となり、ある者は劇場の熱狂を作り出す。それぞれの強みを活かした多様なキャリアのあり方こそが、現在の日本の女性お笑いシーンの豊かさと成熟を力強く証明しています。 (出典: w 歴代優勝者(Yahoo!ニュース))